Sheep's Bizarre Book Review

邦訳:緬羊書評協会。文系大学生がSFを読むブログです。SFは文理の壁を越えます、多分。

電子書籍のいいとこ悪いとこ

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はじめに

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積読が溜まる今日この頃…

電子書籍のメリット、デメリット」、「電子書籍と紙の本、どちらがいいか」、「紙の本と電子書籍の使い分け方」etc…

 

ネットで検索すればいくらでも記事が出てくるトピックなので、本稿では極力他で言われてなさそうなことを中心に電子書籍の長所と短所についてレビューしていきます。

※なお、筆者はkindleを使用しています。

 

 

電子書籍の弱み

布教が難しい

オタクは「観賞用、保存用、布教用」に3つ購入するのがセオリー、と言われるように、人に何かを勧める際にはやっぱり物理的実体があった方が良いもの。「これ面白いから!」といって押し貸したり、あるいは何かの折にお気に入りの本をプレゼントしたり…電子書籍だとこういう手段が使えません。いきなり端末を差し出されて「これ読んでみて!」と言われても中々読もうとは思わないでしょう。 

また現段階では著作権の関係で電子書籍を「貸す」のは気軽にできることではありません。「時間があったら読んでみて」といって気楽に手渡せるのが、電子書籍に対する紙の本の強みの一つと言えるでしょう。

 

リアルで読書好きの輪が広がりにくい

紙の本なら、あなたが本を読んでいるときに、背表紙や表紙を見た友達が興味を持って話しかけてきて、会話が始まることもあるでしょう。そういうことがうざくてカバーを付ける人*1でも、「あの人よく本読んでるな...」と思われて、何かの時に「本好きなんですか?」と会話が始まり、読書好きの輪が広がることもあるはず。

 

しかし、端末で読書しているとこうもいかない。どんな本を読んでいるか分からないばかりか、読書していることすら理解されないかもしれません。最悪「いつもスマホをいじっている人」という悪印象を与えるかも…

 

それでもいい、自分は一人で静かに読書していたいんだ、という人はいいでしょう。それもまた読書の楽しみ方の一つです。ですが、同好の士との交流を通じてもっとたくさんの本に出会いたいと思っている人にとっては、電子書籍一辺倒はマイナスになる可能性があります。

 

 

危機耐性が低い

筆者はよく趣味で山に登りますが、行き返りの電車の中や山中で読むために必ず本は持っていきます。一度スマホ電子書籍を読んでいたら山の中で不覚にも充電切れに見舞われ、それ以来は紙の本を持っていくようにしています(kindleの専用端末は一週間ほど電池が持つものもあるらしい)

 

 

衝撃や粉塵などの電子機器には優しくない環境、あるいはしばらく充電ができない環境には紙の本は強いです。極端なケースをいうと、たとえ文明が崩壊して精密機器が使えなくなったとしても、紙の本は読み続けられると思うと安心感がありますよね。

 

 

その他

読み終えた後人に譲ることができない、セレンディピティに欠ける(本屋で積まれてる本を見る方がブラウジング効果がある)、本棚に並べて愉悦に浸れない、紙質や匂いが味わえないetc...

 

 

電子書籍の強み

意外と使える検索機能

「あのセリフって、どんな場面で言われてたっけ?」「この人物って、どこで登場したかな?」と気になった時に、検索ワードさえ入れればすぐに該当箇所に飛べるのが便利。「宿借りの星」のように難読単語が多い作品や、「銀河英雄伝説」のような登場人物の名前が長くて覚えにくい作品でも、前に戻ってすぐに確認できます。

 

この特性を生かして、「皆勤の徒」の公式設定資料集「隔世遺傳」の用語集では、項目の中に出てきた単語にすぐ飛べるよう、リンクが貼られています。

 

隔世遺傳 『皆勤の徒』設定資料集

隔世遺傳 『皆勤の徒』設定資料集

 

 電子書籍版限定の資料集なので、その点を意識して設計されているのでしょうね。

 

 

試し読み→購入までは紙の本よりも手軽

 kindleだと冒頭の数ページを「試し読み」として無料で読むことができます。紙の本だとレジに持って行って会計をしてカバーを付けてもらい、持って帰ってようやく読むことになりますが、電子書籍では試し読みで気に入ったらすぐに読み始められます。全てが家にいるままで完結するので、手軽と言えば手軽です。

 

 

作者に確実にお金が入る

最近はブックオフやメルカリで中古本を買っているという方も多いのではないでしょうか。確かに安く買えるので読者としては嬉しいですが、それでは作家さんたちに利益が十分に還元されません。

 

電子書籍著作権の関係で中古本を譲渡するのが難しいので、大抵は新品のものを買うことになります。当然メルカリなどで買うよりは高めになりますが、kindle版は紙の本よりもいくらか安いですし、作家さんに感謝を表す意味でも電子書籍で買う、というのはアリではないでしょうか。

 

 

その他

寝っ転がって読みやすい、資源の面で環境に配慮できる、どこでも気軽に読める(オフラインでも可) 、スマホで読める(専用端末でなくてもOK)、紙の本より安い、場所をとらないetc...

 

 

私的結論:「電子書籍との付き合い方」

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布教は紙の本で、保存は電子書籍。鑑賞は半々。

 

個人的にはこういった方針でいこうと思っています。前述したように布教用にはどうしても「モノ」としての本があった方が有利です。また、保存面に関しては言うまでもなく「場所をとらない」という電子書籍のメリットがあまりにも巨大です。

 

鑑賞面については甲乙つけがたいところ。左手の感触であとどれくらい残っているかを測りながら読み進め、読了後に背表紙を眺めて「こんなに読んだのか」と感慨にふける…こういう風流(?)な読み方をしたいなら紙の本を選ぶでしょう。一方でスキマ時間にささっと読みたい、満員電車の中で癒しを求めたい、というような時には電子書籍が便利です。

 

筆者個人のことをいえば、本の収納に困っていることもあり当分は電子書籍が中心になりそうな見込みです。結局あまり代わり映えのしない結論となりましたが、ここまで読んでくださりありがとうございました。

 

*1:ちなみに筆者は知り合いがカバー付きで読んでいた本の中身を当てたことがある。本のサイズやその人の趣向、自分が読んだ時の記憶を手掛かりにしたが、今思うと知り合いからはキモがられてもおかしくなかった行動だった…