ひつじ図書協会

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ハリー・ポッター(小説)の思い出

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「ハリー・ポッター」シリーズを読んで育った世代が思い出を語る記事です。ネタバレありなので注意。

 

映画が入口

私は「秘密の部屋」「アズカバンの囚人」辺りの映画が大流行していたころに、保育園時代を過ごしました。保育園児的にはあらすじとか知らなくても「魔法!」「額に稲妻型のキズがある!」ていうだけでテンション上がっちゃうんですよね…。

 

当時、友達の家で訳も分からず「アズカバンの囚人」とか観ていた覚えがあります。「クライマックスで守護霊を呼び出したのが未来のハリー自身」っていうのが保育園児の頭脳では理解できなかったのはいい思い出。

 

マウントをとるために読み始めた

「ハリーポッター」を小説で読み始めたきっかけが、3歳上の兄との会話でした。

「グリンゴッツのトロッコでハグリットが酔うシーンあるよね」

「なにそれ知らない」

「あっ、ごめん。小説にしか無いシーンだった。まだ字読めないお前は知らないよな(笑)」

みたいなことを言われて悔しくて、いつか絶対小説も読んでやろうじゃねぇかと思いました。で、字を覚えてから「賢者の石」を読み始めたわけですが、いかんせん分厚い。

 

小学校では「ハリーポッターを本で読んだ奴はすごい」みたいな風潮があったので、友達にマウントをとるために必死になって読んでいた覚えがあります。はじめは映画のシーンを思い出しながら読むような感じでした。

 

インフルエンザと不死鳥の騎士団

不死鳥の騎士団」に差し掛かったのが確か小学2年生の時。前巻「炎のゴブレット」でのセドリック・ディゴリーの死をきっかけに、だんだんシリアス調に変わっていく巻です。

 

シリーズで最も長い上に、思春期特有のハリーの心情が描かれるシーンも多く小学生には難しい内容だったので、かなり苦戦していました。伏線がビシバシ張られているので、今読み返すと面白んですが。

 

「不死鳥の騎士団」といえば、ハリーの名付け親のシリウス・ブラックの死というショッキングすぎる展開。作者のJ・K・ローリング自身、このシーンを書いてシリウスを「殺して」しまった直後、キッチンに駆け込み泣き明かしたとか。

 

よりによってインフルエンザで寝込んでいるときにこのシーンを読んでしまい、その日の夜はうなされた記憶があります。「不死鳥の騎士団」までは映画を先に観ていたのでシリウスの死は知っていたのですが、それでもめちゃくちゃショックでした。

 

「プリンスの物語」

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このマークけっこう好き

「不死鳥の騎士団」の時点で映画の最新作には追い付いていたので、「謎のプリンス」からはストーリーを全く知らないまま初見で小説を読みました。同時に「不死鳥の騎士団」の頃から、マウントをとるためではなく、純粋に楽しむために小説「ハリーポッター」を読めるようになってきます。

 

そしてついにたどり着いた、最終巻「死の秘宝」。その第34章「プリンスの物語」。伏線回収の嵐にして、シリーズを通して悪役を張り続けていたセブルス・スネイプの真の姿が明かされるこの章。

 

「悪役だと思っていたヤツが実は…」みたいな展開が大好物だったので、この展開にはシビれました。

 

子供にはもったいないクオリティ

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この記事を書くにあたって少し読み返しましたが、児童文学とは思えないほどの高クオリティに驚かされます。

 

「賢者の石」では、序盤のホグワーツ特急のシーンでちらりと出てきたニコラス・フラメルがストーリーの鍵を握る「賢者の石」へのヒントになっていたり。さらには「秘密の部屋」に登場した「リドルの日記」の正体が、「謎のプリンス」で明かされたり。

 

当時は当然のように読んでいましたが、ここまで伏線回収がしっかりしている小説って中々ないのでは?と今になって思います。

 

また、英語で読まないと気づかねぇよってレベルですが、登場人物の名前の付け方にも様々な仕掛けが施されています。中でも、「Tom Marvolo Riddle」と「I am Lord Voldemort」のアナグラムは有名。

 

登場人物の名前に込められた意味とかについては、この本を読むとよく分かります。

 

次回予告

色々と思い出を語りましたが、「ハリーポッター」は「頑張って読んだ初めての長編小説」なので個人的にすごく思い入れのある作品です。映画しか観たことないよ、という人は、是非原作を読んでみてください。ハマります。

 

前回の「バーティミアス」に引き続き、「シリーズものの海外ファンタジー」つながりで次回は「デルトラ・クエスト」(エミリー・ロッダ)を扱います。小学校では「ハリーポッター」と並ぶ図書室の人気者でした。

 

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