こんにちは、sheep2015です。この記事では「修正ユリウス日」について、その利点や簡単な歴史などに触れながら説明します。
そもそも修正ユリウス日とは?
修正ユリウス日とはずばり、「1858年11月17日から数えて何日目か」を表すこよみの一種です。略称は「MJD」(Modified Julian Date)
利点
修正ユリウス日の最大の利点は、「2つの出来事の間の経過日数」がすぐにわかることです。
例えば、歴代総理大臣の在職日数を調べるとして、「佐藤栄作はAD 1964.11.19に首相に就任し、その後AD 1972.7.7まで首相を務めた」と西暦で言われてもすぐには日数を数えられません。
しかし、「佐藤栄作はMJD 38708からMJD 41505まで首相を務めた」と修正ユリウス日で言われれば、41505-38708+1=2798日(歴代二位)とすぐ答えが出ます。
用途
修正ユリウス日は主に天文学や年代学の分野で使われます。天文学の現場では、変光星の明るさの変化の周期などを示すときに、時間の単位として修正ユリウス日が用いられているそうです。ネットの海を漁ってみたところ、使用例としてこちらのプレスリリースが見つかりました。この研究では活動銀河核の明るさの変化を示すために修正ユリウス日を使っています。
歴史
修正ユリウス日の元になったのは、1583年にスカリゲルという人物が日数計算や日付換算のために考案した「ユリウス日」(ユリウス通日)です*1。日数で時間を表すのは修正ユリウス日と同じですが、こちらは紀元前4713年1月1日を起算点としています。
ユリウス日は起算点が6000年以上も前なので、桁が大きめです。たとえば2022年1月1日をユリウス日で表すと2459580.5になります。そのため、桁を2つ減らすために修正ユリウス日が考案されました*2。
修正ユリウス日の起算点が1858年11月17日と中途半端なのは、ユリウス日から2400000.5日*3を引くとユリウス日になるように起算点が設定されたからなのです。
西暦から修正ユリウス日に換算してみよう
1858年11月17日からの日数を数えてもいいですが、下記サイトで公開されている計算ツールを使えば簡単に修正ユリウス日に換算することが出来ます。
たとえば、西暦2010年12月25日は修正ユリウス日だと「55555」になります。では、西暦2023年2月25日を修正ユリウス日に換算してみると…?
フィクションの中の修正ユリウス日
ぶっちゃけ、修正ユリウス日には「いつぐらいの出来事か」が死ぬほどわかりにくいという致命的な欠点があるので、日常生活では滅多に見かけません。私も「天冥の標」というSF小説を読むまで修正ユリウス日を知りませんでした。
今更ですが、当ブログ「ひつじ図書協会」ではSF小説の紹介及び、「天冥の標」の解説・紹介を行っております。修正ユリウス日がフィクションの中でどう使われているか、興味がある方はこちらの記事からどうぞ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。