ひつじ図書協会

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読書リレー#1 「夜は短し歩けよ乙女」森見登美彦

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はじめに

「僕はここにいると、本たちがみな平等で、自在につながりあっているのを感じることができる。その本たちがつながりあって作り出す海こそが、一冊の大きな本だ。」

 

 「夜は短し歩けよ乙女」に登場する「古本市の神」。彼は主人公が古本市で見かけた本たちを「つなげて」みた後にこう言い放ちます。彼の言葉が真実なら、今まで私たちが読んできた本を一度につなげてみることもできるのでしょうか?

 

 ということで本企画では、わたくしsheep2015が「今までに読んできた本をつなげて、リレー形式で紹介」していきます。ルールは特に設けませんが、「作者が同じだから」「タイトルが似ているから」というような、安直な理由でつなげるのはNGとします。

 

 小学生~大学生前半に読んだ本をまんべんなく紹介するので、児童書も交えたバラエティ豊かなラインナップになる、はずです...。

 

 記念すべき最初の一作は古本市の神に敬意を表して、「夜は短し歩けよ乙女」(森見登美彦、2006)。それではさっそく、本が作り出す大海へと乗り出しましょう。

 

 

「夜は短し歩けよ乙女」あらすじ

 「黒髪の乙女」と「先輩」、そして二人を取り巻くユニークな大学生(?)たちが京都を舞台に繰り広げる恋愛ドタバタ劇。あまりに純真で不器用すぎて想いを伝えられない先輩に、全く先輩の想いに気づかない天然な黒髪の乙女。先輩は彼女の外堀を埋めるべく「ナカメ作戦」なるものを決行するが…?

 

 古本市の神をはじめとする奇々怪々な面々に翻弄されながら、夜の先斗町に下鴨神社の古本市、大学の学園祭と京都の街を駆けめぐる大学生たち。二人の恋の顛末を、森見登美彦がユーモアあふれる文章でコミカルに描き出す。

 

 

 

 

ちょっと一言

 タイトルの語呂の良さに惹かれて古本屋で手にとった一冊。読み終わった後に「こんな大学生活が送りたかった…」としみじみと思いました(当時大学一年生)。私見ですが、大学生の間ではかなり人気な作品です。

 

 「ナカメ作戦」を決行する先輩は、傍から見れば「イタイ」大学生なのかもしれません。しかし、自らの分をわきまえた先輩の良識と、悪意を全く持たない黒髪の乙女の純真さ、そして作者の巧みなタッチのおかげで、本作はすがすがしくて面白い恋愛小説になっています。中高生にもおすすめしたい一作です。

 

 ちなみに本作は映像化もされています。先輩と黒髪の乙女の声はそれぞれ星野源と花澤香菜、監督は「映像研には手を出すな!」の湯浅政明です。素晴らしい出来なので是非ご覧あれ。

 

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 また、2021年6月には舞台化もされました。

 

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次回予告

  「大学生」つながりということで、次回も大学生が主役の小説になります。ただ、登場人物の学年はちょっと高めになるかも…?

 

 

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